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日蓮宗新聞 平成17年12月20日号
もっと身近に ビハーラ
林 妙和師
まる16
介護・看護のワンポイント





















調







 いよいよ暮れも押し迫ってきました。
 お正月を迎える準備のなかでも餅つきはこの時期の風物詩。「よいっしょ」とかけ声も威勢良く、活気がでます。
 お餅やおせち料理は高齢者にとって特別な心躍る食事の一つです。昔を思い出してあれこれ話しながら和やかな雰囲気。
 一方で、この時期は毎年新聞に「お餅がのどにつかえた」との報道がされます。
 のどを詰まらせるのはお餅だけではありません。注意したいのは「こんにゃく」「かまぼこ」「お刺身」なども噛み切れず飲みこんでしまった結果、のどにつかえてしまうのです。
 他にも、入れ歯と食べ物と一緒に飲み込んでしまうケースもあります。
 脳梗塞など病気が原因にある場合と、なくても高齢者は飲み込みに関係する神経系や筋肉の動きの低下で、むせやすくなります。また歯の関係でよく噛めないなども原因のひとつになります。
 ただ、普段むせたり、つかえたりしやすい方でも大好物は上手に飲み込んだりすることがあります。
 このように食べる機能は嗜好や楽しみに大きく関係します。普段から飲み込みや噛み臭合に気を配りましょう。

介護のポイント


「よいっしょー」アウンの風物詩 恒例のおもちつき
 一人ひとり違いますが口当たりや、のど越しのよく、食べやすくするための工夫をあげると
・とろみをつける(くず、ゼラチンなどで)
・繊維をきる(うら包丁を入れるなど。ただし、小さく刻みすぎても口の中でばらばらになり食べにくい)
・パサパサしたものは水分を合ませ滑らかに(カステラ・パンなど)
・食事の前に口を湿らせる
・お茶や水分はむせやすいのでゆっくりと
・口の中にいっぱい入れない
・お餅は一口で食べられる大きさに。お米入りのお餅などは粘らないので食べやすい
・おろし大根などを絡めると食べやすい


ハイムリック法
手をにぎり、お腹に押し当て、押し
上げる様に、強く早くしめつける。
 食事の前に簡単にできる口・舌・のど・あごのウォーミングアップになる体操を紹介します。
まる1 首を左右・前後にまげる、ゆっくり回す。
まる2 両肩をすぼめるように持ち上げ、すっと力を抜く。上体を左右にゆっくり倒す。
まる3 鼻で呼吸をしながら口を閉じたまま頬を膨らませたり、萎ませたりする。
まる4 口を開き舌の出し入れをする。舌で左右の口角を触る。
まる5 息を吐きながら、ラララ、タタタ、パパパなど、一つひとつ切って発音する。
 万が一食べ物をのどに詰まらせたときは、
◎背中をたたき、同時に指を口の中に入れてかき出す。
◎後ろから抱え、相手の脇の下から前に両手を入れ両手を握って組み、胃の所を押し上げる感じでぐっと強く早くしめ持ち上げる(三回)(図)
◎掃除機を利用して吸い取る。(ラップの芯を切ってつなげるとよい)
 人にとって食事は栄養を摂るだけでなく、季節感を味わったり、特別な日を祝ったりは“生きる”楽しみの一つです。
 そんな食卓を囲むと生き生きしてきますね。
 語らう相手があり、おいしいものを共に味わう。これこそ、至福のとき、慶びなのです。ぜひあなた流の特別なお正月を迎えましょう。
(名古屋市道心寺修徒・医療法人大雄会顧問)
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