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日蓮宗新聞 平成17年9月20日号
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もっと身近に ビハーラ
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林 妙和師
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住み慣れた自宅で「暮らし続けたい」
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介護保険を利用して住宅改修
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元気なうちから安全な住環境を考えておこう
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住み慣れた自宅でヒヤリとしたことはありませんか。
スリップやつまずきなどによる転倒、階段などから転落、浴槽内での溺水などが65歳以上の高齢者の家庭内事故死の主な原因になっているのです。
高齢者の事故防止、自立支援、介護者の負担軽減などのため今回は介護保険を利用しての住宅改修について取り上げます。
手すりの取り付け
段差の解消
床・階段のすべり防止
ドアの改修
便器の変更(和式から洋式便器への取替え)
1〜5に付随する工事や手すりをつけるための壁の補強など
○介護度は?
要支援から要介護度5までの方が利用できます。
○手続きは?
ケアマネジャーや在宅介護支援センターにまず相談。
市区町村に登録されている住宅改修業者を紹介してもらい具体的に打ち合わせをする(知り合いに頼むことも可能)。
市区町村によって手順に多少違いますのでよく確認しましよう。
改修費用は上限20万円まで介護保険から給付されます。(一割が自己負担)
各市区町村によっては介護保険住宅改修費以外に助成金を支給しているところもあります。
手すり
・麻庫のある手の方に付けてしまった。
・高さが本人に合わない。
・業者に勧められるまま、たくさんつけたが必要のないものがあった。
浴窒
・手すりが高すぎて浴槽で身体が浮いてしまう。
・手すりが低く、ふたの開閉が困難。
・浴槽が深くてまたげない。
・浴檜が低すぎて入浴が困難。
・湯を張るとすのこが浮いてしまう。
・洗い揚のかさ上げで脱衣場に水が溢れる。
トイレ
・手すりが合わない
・間口が狭くて車イスが入らない。
階段に滑り止めをつけたが
・階段、床があまりにも滑りにくくつまずきやすくなった。
見積りよりも追加工事で高く請求された。
○よく使う場所と行動をチェック。
○高齢者の動きによって手すりは付ける場所や位置・種類が変わる。
手すりの位置や福祉用具の吟味は、自宅での日常動作を家族と一緒にしてみる。また展示場等で体験してから決めると失敗が少ないでしょう。
○住宅改修ばかりでなくちょっとした工夫を。
・例えば浴室は、すのこで段差解消。バスボードやシャワー椅子などの福祉用具を活用する。
福祉用具の購入や貸与も介護保険で給付されます。
○施工業者任せにしない。高齢者の行動や動作は変化することを忘れないで。
○住宅改修や福祉用具の導入は高齢者の方が、住み慣れた自宅で「暮らし続けたい」との願いを実現するためのケアの第一歩になります。
元気なうちから、安全な住環境について考えておくことは、本人だけでなく家族にとっても大切な事なのです。
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(名古屋市道心寺修徒・医療法人大雄会顧問)
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