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日蓮宗新聞 平成16年11月20日号
もっと身近に ビハーラ
林 妙和師
まる3
介護・看護のワンポイント

 長寿のカギは歯にあり
    噛むことは脳を活性化して生活の質を向上させる


自宅で歯科衛生士の口腔ケアが受けられます
 生き生き楽しく、おいしく食事ができていますか?
 あなたは食事の時「おいしそうだな〜」とどのようなところで感じますか?
眼で、
匂いで、
舌で、
歯で噛んで、
飲み込んで。
「おいしかったね!」と、喜びを共有し、語らう相手の存在も味のうち。食事の美味しさもランクアップ!
 歯は生命の維持にとても大切な役割を果たしています。寝たきりだったAさんが歩けるようになりました。
 介護では上半身を起こして口腔内清拭、うがい・歯肉マッサージを行い、歯科医の往診では、入れ歯を治しました。その結果、全身状態が改善したのです。
 むせて飲み込めないため管(くだ)で栄養を入れていたBさんは、歯を治療し、飲み込みの訓練をした結果、口から食べられるようになりました。AさんもBさんも共に、噛む力の回復によって生き生きとした日常生活を取り戻したのです。
 このほかにも痴呆症状が改善したなどの経験事例が介護の現場から発表されています。
 一方、歯の治療だけですぐに改善するわけではありません。メンテナンスが重要です。
 例えば、ぐらついた部分入れ歯を一緒に飲み込んで窒息状態に陥ったケース。
 病気をしてから一度も入れ歯をはずしたことがなかったため、口腔内が不潔なために肺炎になったケース。
 入れ歯をはずしたまま放置していたため。毎食キザミ食しか摂れず、体力が衰えたといった実態もあります。
 「噛む」ことは歯だけでなく、脳、神経、筋肉がさまざまに関連し合って働く仕組みになっているので「うまく噛めない」と全身の機能に悪影響が生じ、老化がより早く進行します。その身体を若返らせる力は、歯にあります。
 例えば咀嚼[しゃく](噛むこと)は脳を活性化して、生活の質を向上させます。


「入れ歯はこうやって手入れしてね…」
介護のポイント
 まずは、
まる1毎食後の歯磨きの習慣をつける(歯磨きが出来なければ、うがい・口をすすぐだけでも)
まる2ガーゼや綿を湿らせて口腔内を拭く。市販の舌ブラシで舌苔を取るとなお良い。
 電動歯ブラシ・口腔ケアスポンジなどケア用品を使うと便利です。

入れ歯の手入れ
まる1歯ブラシ等で手入れも忘れずに。
まる2外したら容器に入れ水中保管。
 自宅で歯科医や歯科衛生士の往診を受けることも出来ます。医療保険・介護保険が使え、最近は多くの歯科で実施していますのでもっと気軽に活用しましょう。

 身・心を良好に維持するためには口腔のケアが重要なカギになります。
 食べることは生きること。その人らしさを取り戻す第一歩となります。優しい言葉を添えて、「心」のこもったケアは何よりの美味しさの隠し味になることでしょう。
(名古屋市道心寺修徒・医療法人大雄会顧問)