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日蓮宗新聞 平成16年10月20日号
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もっと身近に ビハーラ
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林 妙和師
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人がいきいき生きるために
慈悲の眼で日常観察も大切な心のケア
眼の老化現象は、日常生活を左右
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セピア色の世界?
近ごろ日蓮宗新聞を読むのが負担に感じるようになった、なんてことはないですか。
以前は熱心に通っていた写経の会にも「眼が見えにくくて…」と参加しなくなった方など、身近にいらっしゃいませんか。
文字が見えにくくなったのは、「老眼だから」と片づけてはいないでしょうか。これらは眼疾患≠フシグナルかもしれません。
日々の生活活動の自発性・活動の低下の理由が眼に起因することも多いのです。
他にも夜間、部屋から廊下に出て、ぶつかったり、転倒したり、また類似した色や形状の識別が困難になるため薬を間違えるなど、日常生活に問題が起きやすくなります。
老化にともなう視覚機能障害が、徐々に眼疾患に移行しても気づかず、適切な治療を受けられずに悪化してしまうこともあります。よく気をつけて看てあげましょう。眼科受診で正しい診断・治療を受けるよう勧めることも必要です。
「人が外界から得る情報の80%は目(視覚)からである」といわれるように、目の老化現象は、高齢者の日常生活の質を左右するのですから。
白内障の自覚症状
代表的な加齢性の眼疾患「白内障」は、40歳代後半から見られ始め、60歳後半から急増、80歳以上では、ほぼ全員に認められます。
視力障害の程度は白内障の部位・進行度によりさまざまです。自覚症状として、
◎霧の中でものを見ている感じ(かすみ)
◎まぶしさ・眼の疲れ
などの訴えがあります。
白内障で混濁(着色)した水晶体は一種のフィルターをつけたように作用し、また特に、青色の透過性が低下します。
その結果、段々黄色ぽく・茶色ぽく、セピア色の世界として見えるようになります。
介護のポイント
◎照明に注意する(20歳代の2〜2.5倍の明るさが必要)廊下・玄関・トイレなどは人感センサーを活用
◎段差をなくす・家具などの位置の工夫。
◎薬は区分けした箱・ビニール袋等に一回分をセットしておく。
白内障の治療
進行を予防する目的の点眼薬等がありますが、白内障を完全に治す薬はありません。
最近は医療技術も進歩し、手術(眼内レンズ挿入)が広く行われ視力回復も可能です。
手術は日帰りで出来る時代です。年だからとあきらめないで!
百歳で白内障手術して、人生が変わったという佐藤さん=写真=を紹介します。「空が青いことに驚いた。視界が明るくなったら、気分まで晴れやかになりました」と元気いっぱい。今では、本が読めるようになり、針を使っての細かな手作業が可能となり手芸を楽しんでおられます。
このように、その人がいきいき生きるために周りで何ができるか、慈悲の眼で日常の観察を行うことも大切なケアの心です。
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(名古屋市道心寺修徒・医療法人大雄会顧問)
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細かい作業も楽に… |
佐藤さんの作品 |
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