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日蓮宗新聞 平成31年3月20日号
「臨死体験」について
日高隆雄

大好きだったおばあちゃんが送り返す、不思議な体験

 医療現場では科学の立場からはどうしても理解・説明できないことがまれに起こります。そのひとつに「臨死体験」があります。『広辞苑』では「死の瀬戸際での体験。死に瀕して、あの世とこの世との境をさまよう体験」と説明されています。
 私はこれまで産婦人科医として、産後の大出血や心不全などで危篤状態に陥り、死ぬか生きるかの瀬戸際に追い込まれた妊婦の治療に幾度となく携わってきました。以前、大学病院に勤務していた時のことです。ある妊婦が意識もない重篤な状態で搬送されてきました。お母さんが危険な状態であれば、当然、赤ちゃんも危険な状態に陥ります。ほうっておけばお母さんも赤ちゃんも生命の危機に陥るため、まずは、緊急帝王切開で赤ちゃんを救いました。術中・術後、お母さんは我々医療スタッフももうだめかとあきらめそうになる死線をさまようことになります。術中、3回の心停止をきたしましたが、心臓マッサージと電気ショックで蘇りました。最終的に、産婦人科、麻酔科、救急科の垣根を越えたスタッフによる必死の救命処置が実り、部分的な記憶喪失を残すだけで奇跡的に回復し、この世に生還することができたのです。退院前に本人から伺った話ですが、我々医療スタッフが必死の救命処置をしている時に、本人の魂は手術室の天井の片隅から、ベッドに横たわって処置を受けている自分と我々スタッフを眺めていたというのです。そして、此の岸から、三途の川を渡ろうかというその時のことです。彼の岸にすでに亡くなっている大好きたったおばあちゃんが現れて、「あなたはまだそちらの世界で産まれた子どもを育てなさい」と此の岸に送り返したというのです。まさにその時を境として、病状は回復に転じ、意識も戻ったのです。
 仏さまとなっているおばあちゃんが助けてくれたのでしょうか。それとも「生きる」という力がそうさせたのでしょうか。これだけ発達した医療現場ですが、「人間の生死」には医学的・科学的理解を超える何かが働いています。
 (日蓮宗ビハーラ・ネットワーク世話人)
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