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日蓮宗新聞 平成28年4月20日号
3月11日に思うこと
三井 妙真

復興支援はまだ終わっていない

 東日本大震災から5年が経ち、初めて被災地である宮城県女川町で3月11日を迎えました。いつも伺う仮設住宅では災害公営住宅や自力再建住宅などへ移り住む人たちが増え、仮設住宅には5年前の約半数の住民しかおらず、平成28年中には移住する人がもっと増えるそうです。現状では隣が空き家という家が多くなり、年配で独居の人がより心配される状況となってきています。
 最近も集会所で具合が悪くなり倒れて病院に運ばれた人かおり「これがたった1人で家にいた時に起こっていたらと思うとぞっとした」と住民の人が話してくださいました。そうは言っても、残っている世帯をみな近くにまとめて住まわせるということは、一見住んでいる人たちにとってよいことのように思えますが、実際には定住ではない仮設住宅ですので、またすぐに引っ越しをするということです。高齢者にとってはたとえ同じ敷地内であっても引越しをするということは、それまでとは環境が変わりますので、若い人たちよりも精神的負担が大きくなります。
 さて、私は女川町総合体育館で行われた慰霊式に参列したのですが、式の最後に参列した皆さんが白いカーネーションを献花台に供えていきます。そんな中、参列席の最前列中央に座っていた男性は、花を供え終わった人たちに「ありがとう、ありがとう」と泣きながら声をかけていました。どなたを亡くされたのかはわかりませんが、彼の深い悲しみをたくさんの献花が癒していったのではないでしょうか。
 女川駅周辺では土地のかさ上げ、道路や街並みの整備が進み、観光地として多くの観光客が訪れるようになりました。
 一方、いまだに産地名によっては恐くて買えない・食べたくないという人がいますが、被災地産の食物はすべて放射線量を測定し、国が定めた安全とされる基準値内の品だけが出荷・販売されています。正しい知識を得て風評被害を払拭しましょう。
 東日本大震災から「もう5年経った」のか、「まだ5年しか経っていない」のか、私たちはもっと深く考えるべきだと思います。
 風化しつつある東日本大震災。女川町に限らず、私たちはまだまだ被災地の人々に必要とされているのです。観光、ボランティア、消費。どんな形でもよいので被災地に関わっていくことが、私たちにできる被災地に暮らす人々への一助だと思っています。
 (日蓮宗ビハーラ・ネットワーク会員)
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