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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 平成28年3月20日号
大切な涙
吉田 尚英

−大切な人を亡くした方に伝えたいこと−

 死別の悲しみに暮れる人に対して、何をどうすればよいかという具体的な留意点と、精いっばい悲しむことの大切さを、やさしく語りかけるように綴られた『大切な涙』という冊子があります。いつか訪れるかもしれない大切な人との死別。そのとき自分はどのような状況になるのかを想像しながら読んでいただきたい一冊です。その内容の一部を紹介します。

●家族・親族や友人・恋人など大切な人を亡くしたとき、体と心にさまざまな変調が表れます。泣く・落ち込む・眠れない・食欲がないなどの症状は、自分を守るための心と体の正常な防衛機能です。
●心の痛みが和らぐまで泣いたり嘆いたりするのは自然な反応であり、精いっぱい泣いて、悲しみを存分に表に出すことが大切です。
●死別の悲しみの中、葬儀を出さなければならない遺族の負担・ストレスは相当なものです。しっかり送らなければという思いが悲しみを封じ込めてしまうと、死別のショックからの立ち直りが遅れてしまうこともあるといわれます。
●葬儀の長丁場を乗り切るために「手を貸してくれそうな人に連絡をする」≒水分を摂る」「食欲がなくても何か口にいれる」「休息をとる」などのことを本人も周囲も留意しましょう。
●自死・事故死などで大切な方を突然亡くしたときは、その衝撃から少しでも持ち直すための時間が必要です。できるだけ火葬までの日にちを長めにとったほうがよいでしょう。
●葬儀が終わった後に、「悲しみが押し寄せる」「抑うつ状態になる」「悲しいという気持ちが感じられない」「怒りや恨みを感じる」「罪悪感や自責感が生じる」などさまざまな症状が現れることがあります。悲嘆の過程やそのスピードは人それぞれです。自分のペースと気持ちを大切に過ごしてください。
●周囲の方々は、遺族の自然な思いを大切に、急かすような言葉かけは控え、必要に応じてさりげなく日常の援助を申し出るような働きかけをして差し上げてください。

 死別の悲しみの只中にある遺族に接する機会の多い僧侶の皆さまにもぜひ読んでいただきたい一冊です。檀信徒に配布して、死別の悲しみについて理解を深め合っていくことも大事だと思います。
 (日蓮宗ビハーラ・ネットワーク会員、自死・自殺に向き合う僧侶の会共同代表)
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