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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 平成27年6月20日号
共に生きるために
三井 妙真

悪い結果も良い結果を導き出す教えととらえて

 2年前、知人に分けてもらった蓮の花。昨年はあまり面倒を見てあげなかった私ですが、今年は初めて植替えをしました。必要な土や植替え方法を調べてから鉢の水を抜き蓮根を掘りだす。
 何しろ初めての経験。どこまで力を入れて引っ張ってよいのか恐る恐るです。土は全部ひとまとめにして、新しい土と混ぜこねます。大小取り混ぜ8鉢に厳選しましたが、蓮根を捨てるのは可哀想だと4鉢増える結果に。土の澱みが治まってからメダカを放ち、毎日世話をしていたのですが、5月の台風で鉢の水がさが増したので「しばらく水を足す必要がない」と思い、3日後に蓮の世話に行くと、ボウフラとその抜け殻だらけ。水草も生え放題。
 これはいかんと、水草の撤去を始めると、案の定、メダカが藻に絡まってしまい…。自分の勝手な思い込みでメダカを死なせてしまった。それ以後は毎日欠かさず12鉢のお世話をしていますが、5月も後半になりますと、気温が高い日が続き、鉢の水温も高くなってきました。蓮には好環境ですが、メダカには? 昨日も水草の陰から亡くなったメダカが4匹も。自坊の場合、プラスチックの鉢は陶器よりも水温が高くなること、夏場は水深が10a以上は欲しいことが判りました。大急ぎで土を減らしたり、角材を鉢の下に敷いてみたり。これで十分とは思いませんが、少しは水温に好影響がでれば、と。
 仏教には「因果」という、原因があれば必ず結果があり、結果があれば必ず原因があるという理があります。そして良い原因には良い結果が、その逆もまた然り。何事にも良い結果を願って「事」を起こす私たちすが、悪い結果になってしまう「事」もあります。そんな時は何が悪い原因となったのかを考えてみましょう。
 その答えは簡単に出たり、なかなか導き出せなかったり、さまざまだと思います。お釈迦さまは、相手の理解度によって教えの説き方を変えておられたと言われています。私たちが同じことを伝えるにしても、その対象となるのが子どもや大人や病人、悲嘆にくれる人、物言えぬ生き物であったりすると、手立てはやはり千差万別でしょう。あの手この手で良い結果を導き出すことができた時、両者はきっと笑顔になれるはず。
 私は明日も蓮とメダカのことを考えるでしょう。どうしたら蓮が元気に育ちながら、メダカが長生きできるのかを。
 (日蓮宗ビハーラ・ネットワーク会員)
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