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「あなたが生きている理由」−平成の駆け込み寺・人生相談−戸澤宗充著、家の光協会刊を読む。この本の奥付に「日蓮宗一華庵庵主、尼僧。東京都出身。三十三歳の時、二児を残し、クリスチャンであった夫が急逝。それを縁に仏教信仰に入る。四十六歳で出家。檀家も持たず、仏の教えを説いてきた。『DVなど、さまざまな事情で厳しい生活から抜け出せないでいる女性たちの役に立ちたい』との思いが募り、2003年8月、私財をなげうち、伊豆の天城に『サンガ天城』を設立。社会で悩み苦しむ女性たちにとっての癒しと憩いの『駆け込み寺』として、設立から約四年五百名以上の人々が救いを求めて訪ねている」と内容を紹介している▼一時は自殺を考えたが思い止まって、自分を見詰め、それから仏道を求めたという。自己の使命感から私財を投じ一華庵を設立してしまうという行動力は並のものではないと思う▼この駆け込み寺に救いを求めて訪れる女性は少女から老人に至るまで千差万別だそうだ。この人々の話を聞いてあげ、立ち直らせるというのは容易なことではないと推察される。そこには菩薩道の実践が脈打っていて、余人の中々できることではないと敬意を表する。多くの悩める人たちにこの本を推薦する。それにしてもDV他家庭内での余りにも虐待の多いのには驚かされる。宗教を超え、参考になることが多いと思う。
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(久)
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