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生老病死と向き合う あなたのそばに
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日蓮宗新聞 令和3年2月20日号
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オンラインの試み
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吉田 尚英
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コロナ禍でも寄り添える術を
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新型コロナウイルス感染防止のために、会議や研修などさまざまな場面でオンライン化か進められています。
お寺でも3密防止の観点により、お彼岸・お盆・お会式などの行事から葬儀・法事に至るまで、縮小・中止をせざるを得ない状況が続くなか、法要や法話を積極的にオンライン配信する寺院が増えています。遠方で参列できない人や、今までお寺との縁が薄かった若い世代などに、直接伝える有効な手段として活用されています。
私か所属している「自死・自殺に向き合う僧侶の会」で開催してきた「自死遺族の分かち合いの集い」と「自死者追悼法要」も昨年から休止しています。しかし、感染の不安が増し、経済状況も悪化し、悩みを抱える人は増えるばかりです。そこで「自死遺族と僧侶によるオンライン茶話会」と「オンライン自死者追悼法要」を開催してきました。
月1回の「オンライン茶話会」では僧侶の短い法話の後、5〜6人のグループに分かれて1時間ほどお互いの話を聴きます。直接顔を合わせて語り合うのとは違い、パソコンの画面を通しての会話では微妙な空気を感じ取るのが難しくなります。プライバシー保護の観点から、深い部分まで語り合うことは避けなければなりません。
12月に開催した「オンライン追悼法要」は僧侶のみで法要を営み、ライブ配信と録画配信を行いました。事前に申込みがあった故人の名前や戒名を法要中に読みあげる場面では、音声を切り、個人情報が漏れないようにと細心の注意が払われました。遺族にとって重要な場面を配信できないのがオンラインの難しい所です。
また、パソコンの操作が不得手の人は参加しにくいなど課題は多々あります。ネットの中では、プライバシー流出の不安や、誹謗中傷でさらに傷つくことも起こり得ます。主催者側は緊張感を強いられますが、悩みを抱える人が集う場を設けておくことの大切さを痛感しています。
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(日蓮宗ビハーラ・ネットワーク会員、自死・自殺に向き合う僧侶の会共同代表)
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■自死遺族と僧侶のオンライン茶話会
参加条件:自死遺族で、インターネット環境が用意できる人。要申込
※詳細は 「自死・自殺に向き合う僧侶の会」ホームページを参照下さい
http://www.bouzsanga.org/
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