日蓮宗 ビハーラ・ネットワーク
 
HOME > TOP > お知らせ > 関連記事 > 日蓮宗新聞より
(日蓮宗新聞 平成30年5月20日号) 記事 ←前次→

NVNトップメニュー
NVNについて
ビハーラ活動とは
NVNニュース
ビハーラ活動講習会
ビハーラグッズ
心といのちの講座
お知らせ
 関連記事
  日蓮宗新聞より
 レポート

会員限定
生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 平成30年5月20日号
東日本大震災から7年がたち
松森 孝雄

2万件の大きなできごととして捉えていますか

 平成23年3月11日午後2時46分、未曾有の大震災が東日本を襲った。
 7年の月日が経った今も多くの人が仮設住宅での生活を余儀なくされている。今まで住んできた地域社会で築き上げられてきたコミュニティが崩壊し、新たに形成されたコミュニティの中で不慣れな生活をされている人も少なくはない。大切な人を亡くしながら、復興の道しるべを頼りに生きる希望を見出しながら、懸命に生活をされている。
 筆者は当時、日蓮宗の青年会に属しており、全国の青年僧とともに昼夜を問わず、復興の一助となるべく支援に携わった。福島県南相馬市においては、原発事故によって避難された人たちを中心に「傾聴活動」など、今も続いている。
 震災当時は毎月、全国日蓮宗青年会の会員が各地から被災地に入って、泥かき・炊き出し・追悼供養を続けたが、冬は雪に見舞われるため、雪に慣れていない者が支援に駆けつけてもかえって足手まといになる懸念から、「被災地から来て頂こう」という発想で、ご両親・親族を亡くした「震災孤児・遺児」を東京や大阪に招待して、楽しい時間を過ごして頂く企画も昨年まで続けた。当時ランドセルを背負っていた子どもたちも、今は大学に進学するまでになり、子どもたちの成長を目の当たりにしながらとても頼もしく思った。
 北野武さんが発災当時に語った「メディアは震災を『2万人が亡くなったひとつの事件』として取り扱うが、個人として向き合う時は『2万人が亡くなった2万件の事件』として捉えて寄り添っていかなければならない」という言葉が今も筆者の原動力のひとつになっている。
 その後も各地で地震や風水害があり、その都度多くの「いのち」が失われることに胸を痛めながらも、心ひとつに復興に尽力する姿を拝す度、自分に何かできるのかを模索しながら、各地に赴く日々である。自坊においては亡き人に寄り添う気持ちで手を合わせる。
 (ビハーラ・ネットワーク事務局員)
あなたのそばにロゴ
この頁の先頭へ▲