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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 平成29年11月20日号
自死者追悼法要について
吉田 尚英

安心して故人に向き合える時間

 毎年12月に全国数ヵ所で、超宗派の僧侶有志主催による自死者追悼法要が営まれます。
 自死についての偏見・差別・無理解に遺族は傷ついています。葬儀や法事の席で親族から責められたり、自死であることを隠して日常を過ごさなければならないなど、遺族が心から故人に向き合える場所があまりに少ないのが現状です。また、なぜ死んだのかと答えを探したり、自分が悪かったと自責の念にさいなまれたり、苦しみを抱えている人がたくさんいます。さらに、遺族や親族ではない友人・恋人・内縁関係の人などは葬儀や法事に呼ばれず、祈る場所さえないことがあります。そのような状況の中だからこそ、大切な人を自死で亡くされた人たちが、安心して祈り、故人に向き合える法要も必要
になります。
 法要当日は、自死で大切な人を亡くされた人のみが参列します。周囲のしがらみや偏見のない中で手を合わせることを第一に準備を進めます。なかにはためらい悩みながら必死に会場にたどり着く人もいます。会場に入るまで自分が参加してよいのか思い悩んでいる人もいます。そんな人のために、穏やかに、さりげなく背中を押す役目の案内係の僧侶が駅から寺までの要所に立ちます。
 「自死した人は安らかにしているのだろうか」とご遺族は心配しています。その答えが見つかるように、僧侶は真剣に法要に臨み、お経を読みます。参列者もおつとめをしながら亡き人と存分に対話をし、仏さまの前で誰に気兼ねすることなく涙を流していただきます。法要後は、それぞれの思いや辛さを語り合う「分かち合いの会」を開きます。数人ずつのグループに分かれて、僧侶が進行役となり安心して語り合っていただく場です。同席した僧俗はそこで悩みや苦しみの深さを教えられ、共に涙を流します。
 自死によって大切な人を亡くされた人は、「自死者追悼法要」とインターネットで検索してご確認ください。
(日蓮宗ビハーラ・ネットワーク会員、自死・自殺に向き合う僧侶の会共同代表)
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