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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 平成29年5月20日号
大切な触れ合いの場
林 妙和

感動を共有することで育まれる思いやりの心

 毎月「心のケア」を開催している高齢者介護施設には、ポニー・ウサギ・ヤギなどと触れ合える小動物園があります。
 近隣の幼稚園と連携して施設の利用者とゲームなどをした後に、餌をあげたりしてともに楽しむ交流会を続けて20年余になります。
 先日そこで、施設利用者と談笑する親子連れに「こんにちは! お久しぶりです」と、声をかけられました。その人は利用者との交流会をきっかけに小・中学生になってからも体験学習にこの施設を選び、地域交流行事にも積極的に参加しているA子さんでした。彼女にとってこの場所は、利用者から「ありがとう上手だねー」と褒めてもらった嬉しい思い出や、「動物も歳を取るし、病気やけがもするから、正しい接し方が必要だよ」と飼育員から教わり、いのちの大切さを実感した体験などから、成人した今も心に残る場所となっているとのことでした。そして子育てをしていてイライラする時には身近にあるこの施設に自然に足が向いてしまうそうです。
 「ここでは、私自身が季節の花や動物、そして馴染みの人たちと出会えてホッとし、癒されます」「家で動物を飼うことはできないが、ここに来れば子どもも動物と触れ合って、温もりを感じ、慈しむ心が育っています。また、みんなと一緒に遊ぶ中で、楽しい発見もあるようです」と、A子さんの眼差しはお子さんに優しく注がれていました。
 子どもの成長には、ネットなどでは味わえない豊かな自然や動物と触れ合ったり、年齢の異なる世代がともに遊び、語らい、感動を共有していく場が必要です。それを体験することにより、子どもはいのちの尊さ、大切さを学び、相手を思いやる心が育まれ、支え合うことを覚えていくのではないでしょうか。
 開かれた介護施設、小動物園が、地域で生活する人たちにとって集い、触れ合い、学びの場として大切な役割を担っていることを改めてA子さん親子の姿から教えられました。
 (日蓮宗ビハーラ・ネットワーク世話人)
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