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生老病死と向き合う あなたのそばに
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日蓮宗新聞 平成25年10月20日号
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笑顔で向き合うために
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三井 妙真
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少しのきっかけでコミュニケーションが出来る
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自分がいつも笑顔で人と接することができたらうれしいことだと思い宙す。でも、それが色々な理由でできない方もいらっしゃいます。社会生活の中でも、お寺の集まりでも、必ずしも同年代の方ばかりで話が合うわけではありません。では、どうしたら一緒に楽しい時間を共有できるのか。
先日、彼岸の中日法要の時に、いつもはお茶菓子をテーブルの上に用意するだけなのですが、お菓子と一緒にお会式に飾る紙の花と折り紙を置きました。数人集まったところで「お会式に使うのでぜひお手伝い下さい」「折り鶴は8月15日に千烏ヶ淵に持っていきます」とだけお願いしました。女性の方はお子さんが小さい時に運動会などの飾り用に作ったことがあるらしく「懐かしい!」と手にしてくれましたが、男性はちょっと神妙な面持ち。男性には無理だったかと思いましたが、そのまま私は客間を後にしました。時間が経つにつれ客間から賑やかな笑い声が聞こえてきました。法要後も墓参から戻ってきた方々が、引き続き作業をして下さいました。ふと様子を見に行くと、最初は「やったことない」とおっしゃっていた総代さんも「コツがつかめた」と慣れた手つきで紙の花の花びらを開いてくれていました。この日参列して下さった方々の年齢は20代が2人。その他は50代から80代の年輩の方々。仲良くおしゃべりするには世代が離れすぎているけれど、同じ単純作業をすることで共通点ができ、話も弾んだようでした。
これと同じことがショートステイを利用する方にも言えるようです。私の聞く限り、初めてショートステイに行く時はどなたもかなり抵抗して行きたがらないそうですが、何回か利用するうちにステイ先でも楽しく過ごしているようだとのこと。誰しもたった一人で初めて行く場所には不安がありますが、皆で一緒に歌を歌ったり、普段はやらないような難しくない動作のレクリエーションをすることで仲良くなり、加えて日常生活では得られない感覚も刺激されるのでしょう。
また、一緒に暮らしていない家族同士においてもテレビではなく同じ作業をしながらだと、普段話さないような昔の体験談などがでてきて、意外な一面を発見することで、その方をより身近に感じることができるのではないでしょうか。
親しくなることは難しくないのです。ちょっとしたきっかけが私とあなたの距離をより近づけてくれるのです。
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(日蓮宗ビハーラ・ネットワーク)
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