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日蓮宗宗務院 ビハーラ活動講習会(入門編)開催
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活動の第一歩は「お見舞い」から
悩み苦しむ人への理解と支援を学ぶ
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全国から僧侶ら50人が参加
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「病気や障害、高齢に悩む人たちやと苦しみを共にし、精神的・身体的な苦痛をやわらげ、安心が得られるように支援すること」を目的としているビハーラ活動。その基本的知識や具体的方法を学ぶため、東京大田区の日蓮宗宗務院で二月七、八日、平成十六年度ビハーラ活動講習会(入門編)が開かれ、全国から僧侶ら約五十人が参加した。
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カウンセリングの基本は「傾聴」
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"沈黙"にも焦らず待つ 必ず次の約束をする
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初日は四人の僧侶が講師としてビハーラ活動の理念・実習・実践などについて講義。活動の第一歩は「お見舞い」からとし、患者家族との情報交換の必要性、TPOに応じた服装、患者との接し方などを説明。実習では高齢者の特徴と理解を目的に、耳栓や重荷、サポーターなどをつけて疑似体験し、参加者は小銭を掴むなど普段の動作ができないことにとまどいながら、どうしたら高齢者が安心して生活ができるか模索した。
翌日は午前九時から渡部公容師(東京都長久寺住職)が「カウンセリング入門」と題して講義を行った。渡部師はカウンセリングの基本は「傾聴」で、相手の心、気持ちに寄り添うことであり、それは相手のことを知りたい、相手に対して尊敬の念をもつことで、聴こうとする熊度が生まれると話した。
そして相手の言葉を引き出すために「はい」「いいえ」で答えにくい質問をし、沈黙が続いても、焦らずに“待つ”ことが大切で、表情や態度からメッセージを読みとることの童要性も述べた。
寺院での相談は一回きりになることが多いとし、「アフターフォローが大切で、必ず次の約東をするべき。約東することで、相手も“自分を待っている人がいる”と考え、お互いの関係も深まりやすくなる」とした。
相談を受ける時はいつも同じ部屋を使用し、椅子の方がリラックスしやすいとし、決して忠告や励まし、相手を否定してはいけないと述べた。
続いてNVN(日蓮宗ビハーラネットワーク)の会員僧侶がカウンセラーとクライアントに分かれ、カウンセリングの良い例、悪い例を示した。
| 分散会では実際にカウンセラーとクライアントを体験 |
その後の分散会では、参加者がそれぞれカウンセラー、クライアントを体験。役柄を設定して演じ、対応の様子について感想や意見を出し合った。中には名漬技でカウンセラー役を困らせる揚面もあったが、皆真剣に取り組んでいた。
最後に渡部師が総評を行い、カウンセラー役に沈黙の間が持てない人が多いことをあげ、「僧侶は話をしてしまいがちだが、話をしているうちは人の話は聞けない。沈黙の時問を話を整理する時間に使い、のんびりと聴いていこう」とアドバイスをした。また、相手の考えが偏っていると思ったときには、すでに相手を否定していることになるとし、対等な立場、相手の心に寄り添うつもりで傾聴を行い、安易な助言や結論を出さないように気をつけるよう促した。
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