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日蓮宗新聞 令和4年2月20日号
コロナ禍での家族の絆
臨床仏教師 星 光照

母の想いをちゃんと感じています

 埼玉県にある在宅型ホスピス「はなみずきの家」。はなみずきの家は患者と家族の願いに最後まで寄り添うことを大切にし、24時間いつでも面会は自由。毎日多くの人が出入りし、話し声が絶えませんでした。しかし、新型コロナウイルスで状況は一変。誰か1人でもコロナになってしまうと患者全員が亡くなってしまうことがあります。そういうことを考えると面会を厳しく
制限せざるをえなくなりました。
 私はこの「はなみずきの家」で患者やその家族の想いを聴くケアに携わっています。家族に会えない辛さ、寂しさを吐露する人が多い中、末期の癌を患ったKさんという女性と話をしました。部屋に入るとKさんはうつ向きながら「娘の夫がコロナになってしまったの…。子どももいて娘は今、大変な思いをしているはず。私が元気なら母親として娘を支えたいけれど、何もできなくて辛いわ…」と涙を流し、自分の病気よりも母として力になれない無力感を抱いていました。そのことを看護師へ伝えると、Kさんの想いを携帯で動画を撮って娘さんへ送ることになりました。
 2回目の面談の時「娘から手紙が来たの。読んでくださる?」と笑顔で話すKさん。手紙には母への感謝の想い、母がいてくれるだけで家族は幸せだから自分を責めないでほしいと書かれていました。そして先立ったKさんの夫の位牌に孫が毎日お水をあげてくれていると綴ってありました。「病気にならなかったら、家族の絆に気づかなかったかもしれないわ。お話を聴いてくださって有り難う」と語っていました。
 面会方針が変わり、娘さんとの面会もできました。「ちょっとの時間たったけれども不思議ね。娘の顔を見ただけで元気になったわ」と、とても喜んでいました。
 私にとってそれがKさんとの最後の会話でしたが、Kさんは家族に見守られながら安らかに最期の時を迎えました。
(日蓮宗ビハーラネットワーク会員)
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