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日蓮宗新聞 令和2年5月20日号
子どもの貧困 −子どもは国の宝だから−
今田 忠彰

その子らしく生きられるために

 お寺の横の道が、地元の小学校の通学路になっている。毎朝、子どもたちの元気な声が聞こえてくる。そんなこともあってか、「子ども食堂」をしよう、という話になった。
 読者のなかには信じられない人がいるかもしれないが、子どもの7人に1人が貧困にあり、小学校で朝ご飯を食べて来ない、給食代が払えないなど、お腹を空かせている子どもがいる。
 その原因は、親の離婚・死別などがあるが、母子家庭の比率が高い。母親1人で小・中学生の子どもを育てることは困難で、その多くが貧困に苦しんでいる。
 児童扶養手当など、国の社会保障制度も整備はされているが、まだまだ不十分である。
 そこで、全国の民間の団体が、子ども食堂を運営している。だが本来、民間が救援する問題ではないはすだ。国家的な対策が必要だ。
 子どもの貧困は、一世代だけの問題ではなく、親の貧困が子どもにまでつなかっている。その原因の1つに、学歴がある。最近の日本でも、学歴社会はしっかりと残っている。親が高学歴だと、子どもも高学歴になりやすいといわれている。
 学歴だけで、一生の収入を決めることは乱暴だが、やはり、高学歴は高収入につながりやすい。
 子どもの貧困は、学歴社会では、負に働き、さらにその子どもの貧困へとつなかって行く傾向にある。
 これに対する抜本的な対策は、公教育の改革にある。高校までを義務教育とし、完全に無償化とする。大学での奨学金制度を充実し、誰でも希望すれば、大学に進学できる制度を整備する。
 大学とは別の道を目指す人には、それぞれの道を支援すればよい。
 いささか遠回りのように見えるかもしれないが、子どもの貧困を、根本から解決する国家的な対策は、教育なのである。
 私たちの周りの子どもたちが、その子らしく幸せな子どもとして生きられるように、考えよう。国の将来は、子どもにかかっている。子どもは、国の宝だから。
 (日蓮宗ビハーラ・ネットワーク世話人)
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