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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 平成27年4月20日号
共に生きる
林 妙和

被災地の自立支援は命の尊重につながる

 東日本大震災の年から被災地を継続訪問して4年が経ちました。最近は慰霊、仮設住宅での交流、傾聴に加えて、復興したお店で食事をしたり、物産を購入することも支援の一環としています。またそれを縁に「蒲鉾工場が操業を始めたから応援してね。宮城産のリンゴを味わって」などと声が掛かります。注文品には「山元町を忘れないでありがとう。僕たちふじリンゴは1年ぶりにお会いできたことを感謝しています(略)」と、収穫までの様子や町の状況など丁寧な手紙が入っていました。私は生産者に思いを馳せながらそれを皆さんに伝えています。
 そんななか、被災地支援で、はっと気づかされたことがあります。
 宿泊したホテルのロビーにはフェアトレードの考え方が紹介されていました。そこには被災された方々の自立に向けて取り組んだ手作りの「Tシャツ、バッグ、ブローチ」などの商品に、「支援して下さった多くの方へ笑顔をお返ししたい」、「一針一針に真心を込めて」などのメッセージが添えてあり、思いが伝わりました。
 フェアトレードとは、発展途上国で作られた原料や商品を適正な価格で取引し、生産者の生活の向上につなげる貿易の仕組みです。
 この考え力の復興支援は経済復興への足掛かりとしてはささやかですが、生き甲斐や、交流の機会を共に創り出す面もあり、作る人の思いと買う人の心がつながることになります。
 そして、時間を割いて行う現地ボランティアや一時的な義援金支援とは異なった方法で支え合うことでもあります。
 私たちが日頃の買い物においてもフェアトレードの考え方を意識することで被災者の生活の質の向上に繋がるかも知れないのです。
 被災地から離れて関心が薄れがちな地域でも声をトげ行動する必要性に気づかされました。
 被災地では復興の状況にも個々の生活環境にも格差があり、悩みや悲しみを抱えたまま前に進めない方にも出会います。私たちは今後も現地で被災者の心に寄り添う活動が必要と実感しています。それぞれが今できることを継続することが被災地へ向けて「あなたは一人ではない」というメッセージになるのです。
 支援で大切なのは同情ではなく対等なパートナーシップです。自立支援はお互いの命を尊重し、安穏な共生社会を目指すものであり、いのちに合掌の実践にもつながるのです。
 (日蓮宗ビハーラ・ネットワーク世話人)
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