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生老病死と向き合う あなたのそばに
日蓮宗新聞 平成26年7月20日号
自死の問い・お坊さんとの往復書簡
吉田 尚英

手紙のやりとりは、心のやりとり

 宗派を超えた僧侶による「自死・自殺に向き合う僧侶の会」では、自死に関する相談・質問等を手紙で受け付けています。
 人生には一人で抱え込むことができないほどのつらさを受け止めなければならないときもあります。それは他人にとっては些細なことでも、本人にとっては重大な問題であるかもしれません。そんなとき素直に「つらい、苦しい」と口にすることができれば、少しは気持ちを和らげることができると思います。人生にはゆっくりと悩み、考える時間も必要です。あせらず、安心して悩むことができる場所さえあれば、自分で立ち上がり問題を解決することができるのではないか−。そんな僧侶たちの思いから「往復書簡」の活動が始まりました。
 自ら死を選ばざるを得ないほどつらい思いをしている方、大切な人を自死で亡くされた方、自殺未遂から立ち直ろうとしている方、自死しそうなほど思い悩んでいる人が身近にいる方等から、今まで行き場のなかった苦しみや、どうしたらよいのかわからないという悩みが詰まった手紙が届きます。
 そして、手紙を送ってくださった相談者ごとに担当の僧侶が決まり、返事を書きます。場合によっては、数十通のやりとりが何年にもわたって続く場合もあります。
 「誰にも相談できなった」と書かれることもしばしばです。苦しい、悲しい、うれしい…。そんなすべての思いを分かち合いながら共に考えます。一人で答えが出せなかったらみんなで考える。近くの人に話せないことは少し遠くの人に話せばいい。どうしても答えが見えないときは共に仏さまに祈る。一人ではないと感じるだけも生きる力につながるように思います。
 手紙を書くと、ゆっくり考えながら心のなかを整理することができます。電話や面談よりも、よりじっくりと自分の内面に向き合い、適切に思いをまとめることもできるように思います。そして、手紙をポストに投函して手を放した瞬間、解決に向かって動き出したという実感を得られるのではないでしょうか。手書きの手紙のやり取りは、心のぬくもりも一緒に届くように感じます。心を受け止め合う人がいるだけで生きる力が生まれると、私たち僧侶も日々教えていただいています。
 なお当然のことながら、個人情報や手紙の内容が外部に漏れることがないよう細心の対策を講じています。
 自死に関するお悩みがある方は左記へ。
 (日蓮宗ビハーラ・ネットワーク会員、自死・自殺に向き合う僧侶の会共同代表)
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