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日蓮宗新聞 平成26年3月20日号
心に寄り添うとは
三井 妙真

被災者の心情は測り知ることができない
私たちにできることは話を聴くこと

 最近何かと「心に寄り添えばいい」といかにも安易なことのように使われていますが、実際「心に寄り添う」ことは簡単でないことは皆さんご存じかと思います。例えば、家に帰る途中の親子がいて、子どもがいきなりぐずって立ち止まったとします。親としては早く行きたいので「早く歩きなさい」とか「先に行ちちゃうからね」と言って、本当に子どもから離れて歩いて行く場面をよく見ますが、子どもは余計に不安になります。よしんばそれで親の元に駆け寄ってくればいいけれど、その場でもっと大泣きしたら? 傍から見ているから言えることかもしれませんが、自分が小さかった時の体験から考えれば相手(子ども)の気持ちに近づいて解決できそうですよね。
 では、東日本大震災のように想像すらはるかに超えた体験をし、心に深い傷を負った方たちの心を推し測ることはできるのでしょうか。震災後、私は年に数回、石巻バイパス用地の仮設住宅を訪れています。初めてのお茶の会では、お話を聴くのと相づちを打つのが精いっばい。辛い気持ちを話してくれたのに、何も言えなかったことに落ち込みましたが、訪れる回が増えることに住民の皆さんと打ち解けることができ、仲良くなっていきました。昨年は住民の皆さんを東京にご招待して楽しい旅行となり親交を深めることができました。しかし、心の奥にはまだまだ深い悲しみがあることも知りました。
 また、岩手県釜石市仙寿院の芝崎惠應住職に見せていただいた震災当日の映像は、テレビなどの報道で流れたものよりも衝撃的で、見ている間中、心臓を鷲掴みにされているような苦しさがありました。実際にこの情景を見ているだけしかできなかった力たちの心情はいかほどのものなのか測り知ることはできませんし、私たちに同じ体験をしてみろと言われてもできるものでもありません。ただ、私たちにできることは話を聴くこと。話したいと思った時に胸の内を十分に聴いてもらうことによって、その方がどれだけ心の重荷を軽くできるのかは、人それぞれ違いますし、すべてを取り除けるはずもありません。聴く側がどこまで話す側の心情に近づくことができるのかというところが、一番大切なことであり「心に寄り添う」ことだと思います。
 どんな場面においても、自分の心に少し余裕を持って相手に接することが、心を寄せるための一つの要素です。決して身構えないでください。相手が緊張してしまいますからね。
 (日蓮宗ビハーラ・ネットワーク会員)
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